2007-08-14 Tue
夏休みに入る前のこと、王子の幼馴染である鉄男の母孝子は鉄男から「夏休みになったら、1人でスタンプラリーに行かせて」としつこくお願いされていた。
鉄男はその名の通りに鉄道マニア。
電車の路線図を眺めてはシアワセでまだ行ったことのない駅や乗ったことのない電車への想いを日々熱くしている小学生だ。
確かに鉄男は鉄道に関してはスゴイ。
乗り継ぎ乗り換えもなんなくこなし、1度歩いた道は忘れないという特技も持っているから、
片道二時間以上の実家へのたびも1人でこなしている。
スタンプラリーも行かせてやりたいと孝子は思う。
が、しかし。
が、しかしなのだ。
鉄男には致命的なことがある。
想定外に弱いのだ。
ちょろっと自閉傾向がありちょろっと情緒面も幼い鉄男は予定とおりにことが進まないとパニックになってしまい、どうにもならない。
しらない人になんか話しかけることも出来ないから困ったことがあっても聞くことも出来ない。
スタンプ台も場所がわからなくてもただ困って泣くだけだろう。
いくら駅名なら漢字もよめたってそれでは1人では出せない。
そこで母孝子は考えた。
「ねぇおうちゃんが一緒に行ってくれるなら、2人でなら行ってもいいよ」
なんと王子に白羽の矢が立ったのだ。
致命的に方向音痴の王子様だが彼にも良い点があった。
なにしろ日々迷子人生である。
予定通りにことの進まない日々である。
なので想定外に強いのだ(わりと)
困ったら人に聞くことも出来る(この辺は得意)
そして何かあっても泣かないで説明出来る。
(ママに会うまで辛抱する)
携帯でママの指示も仰げる。
おおお。やらせてみても良い経験になるかも。
王子に聞けば意味もわからず「行く行く」と返事。
かくして夏休みの冒険が決まったのだった。
二人のしたかったスタンプラリーはJR(ポケンモンだからね)でも保護者なしではきついしハードル高いので却下。
鉄男の希望と刷り合わせをしつつ、地下鉄のラリーに参加させることになった。
鉄男は全て回りたそうだったけど、時間配分を考えて、半分まで、ルートも鉄男が決めた。
途中鉄男の父と待ち合わせて休憩タイムつき。
ラストは母たちの待つ水道橋駅まで戻るということで決行なのだ。
日が近づくにつれ王子は不安でいっぱい。
なにしろ相当しっかり自分は方向音痴と自覚している。
そして過去何度も鉄男に捨てられ置き去りにされた過去があるので
「鉄くんさ、ぼく置いてかないかな?どうしよう。置いてかれるよ」
とビクビク。
それでも母たちは「いってっこ~~い」と見送ったのでした。
水道橋で待ち合わせなので、母たちはお買い物をお楽しみv
わ~~いまだバーゲンやってる~~。
きゃぁ~~可愛いv50%OFFや70%に心踊る母たち。
そんな中。鳴る。鳴る携帯(笑)
「ねぇスタンプ台どこ?」
いきなり用件かよ!!
「今居る駅は何処?(一応聞く)」
「鉄くん。ここ何処?(場所頼りきってる王子<覚える気なし)」
「◎◎駅」
「じゃぁ駅員さんに聞こうね」
「わかった」
↑の会話は3回以上繰り返されました。
ちなみに聞く係りは王子が全てこなしたそうです(笑)
おもしろかったのが、
「ねぇここ何処?」
(しらんがな)
「何処に居るの?」
「わかんないスタンプラリーに来てるのよ」
(それは知ってるから!)
などど何度も笑える携帯が来たりしながら、二人は汗だくで水道橋まで戻って来ました。
鉄「あのね。褒められたよ」
王「ぼくたち小学生なの?って知らないおばさんが聞いてきたから、ぼくはね「はいそうです」って言ったら「えらいね~~」って言われた」
母「そうか~~すごいものね~~がんばったねぇ」
鉄「でもさ、みんな褒めてくれなかったよ。どうして?ぼく偉くないのかな?可愛くないのかな?」
王「知らない人はそうそう褒めてこないよ」
鉄「どうして?ぼくたちえらいのに」
母孝子「みんなね。お仕事とか忙しいんだよ」
母「鉄くんもおうちゃんも偉かった。大丈夫二人とも可愛いよ」
王「うん。嬉しかった」
そんな楽しい報告もありつつ、やはり緊張していた糸が途切れたのか2人ともお疲れモード全開でイライラ虫。
喧嘩しまくって泣くし。
可愛いです。
しかし本当に疲れたみたい。
でもやりとげた達成感はいっぱいです。
今年の夏。鉄男君のおかげでよい経験が出来ました。
母「ねぇ王子。明日の江ノ電のラリーは無理だね」
王「うん。暑過ぎで疲れすぎ。無理だね」
母「だよね。行きたかったけど(母はワンピースが好き)」
王「映画がいいんじゃない?涼しいよ」
母「だねぇ」
根性のない親子でした。
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