2007-01-24 Wed
しゃべれどもしゃべれどお映画公式しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)
佐藤 多佳子 著
この前見た王の男で予告を見たんです。
あ~~~これ読むの忘れたっ。
本の雑誌でランクされた時に早く文庫にならないかなぁと思ってまんまスルーしてたよっ。
ってことで、さっそくウキウキ読んでみた。
簡単なあらすじは二つ目の落語家がひょんなことで話し方指南をするはめになって・・・そんなお話。
わたしが今愛してやまないのは古典だ。
このお話の中では古典の中でもかなり有名な「まんじゅうこわい」が題材として核をなしている。
目黒のさんまと並んでかなり有名で、通して聞いたことはなくてもさわりくらいはみな知っているだろうというお話。
耳で聞かせる噺の世界を、文字にして、どこまで読み手にその空気を伝えるんだろう。
わくわく読み進めているうち、そんなことなんかふっとんでいる。
主人公で語り手になる二つ目の落語家がいい。
頑固の上に馬鹿をよっつつけたような頑固もので、熱くて不器用でまっすぐだ。
そして本当に落語を愛しているのがわかる。
彼の目線を通じて、落語を知らない人でも、その世界のしきたりや種類や勉強することなど、そして落語の抱える問題などが浮き彫りにされていく、
落語は座布団に座って演じるものだからなのか、人の中で人を見て、しっかり正面を切って語るものだからなのか、
彼が見る、彼に関わる人たちがとても身近に感じる。
主人公の一人称で語られる物語だから、彼を取り巻く人たちがどう思っているのか、感じているのかはわからない。
語られない。
語り家が語らないその部分の流れがとても優しくて、大きな事件もたいそうな出来事も起こらないのに、
じわりじわりと体に沁みてくる。
落語は下げの物語だ。
文字のごとく、くすぐって、くすぐって最後に落とす。
その落ちがピタリとはまった時、聞き手も語り手も良い時間を共有することが出来るのだ。
そんな落語のように、とりたてて事件なんかないのに、くすぐられて、くすぐられて、最後にじわりと落とされた。
気がつくと、涙がぽろぽろ零れている。
ここで感動するとこだよねっなんてお約束なんかまったくないのに、じわりじわりとくるのが悪くない。
わざとらしくなくてこびてなくて、でもあったかいのだ。
不器用でも弱虫でもがんばろうねとまっすぐに思える。
久しぶりに末広亭に行きたくなった。
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