ぽれぽれうらうら

お風呂上りに顔をぱしぱし叩いている王子
「どーしたの？」
「ぼくバカだから叩いてるの」

なので説明してあげた。
王子は「バカ」とからかわれたり、意地悪をさんざん言われているから敏感に凹み。
勉強が出来ないことをバカと思ってるふしがある。
まぁ子供なんで当然なんだけど。

目線を合わすと神妙な顔をしている。
王子がママに心の中のいやな気持ちを説明してもらったり、吐き出させて欲しいときの顔だ。

「バカって言うのはね。人の気持ちがわからない人のことを言うんだよ。王子は思いやりのあるいい子だから、人の気持ちのわかる子だからバカじゃない。勉強は出来ないけどバカじゃないよ」
そう説明すると
「ぼく勉強できないけどバカじゃなかったのか」
うふふって笑った。
「そうだよ。勉強は出来ないけどね」
「出来ないね」
またうふふって笑った。
「でも勉強は努力したらその分出来るよ。王子はもうブロック使わないで足し算できるよ。ます計算も7級になったよ。最近はママに聞かないで殆ど1人で出来るじゃない。出来るようになってる」
「ほんとだね」
またうふふって笑った。



週末のお楽しみの夜更かし＆ＤＶＤ鑑賞する前のお片づけの最中また王子が呟いた。
「ぼくねぇなんか泣いちゃいそう」
感動中の顔して目がうるんでる。
「おいで」
両手を広げると王子がちょこんと膝に乗った。
「バカじゃないってわかって嬉しくなった？」
「そうなの。嬉しい。ぼく勉強は出来ないけどバカじゃないんだね」
「そうだよ」
「ぼく勉強がんばるね。ママ、ぼくがバカじゃないって教えてくれてありがとう」
また王子がうふふって笑った。
その目がうるんで今にも泣きそうだから、わたしもうふふって笑いながら目元をぬぐった。


王子が可愛いと思った。
少し心も元気になってきているとそう思った。



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