2007-07-30 Mon
茅田さんのリィたちのシリーズ最新刊。クラッシュブレイズのシリーズになってから少しづつ感じていた違和感が決定的になった感じ。
シリーズの初期ではそれでもテーマというか作者の書きたいこと目指したい方向性なんかが見えていて、
楽しかったのですが、一応謎も悩みも葛藤も解決しちゃった今はなんというか水戸黄門というか暴れん坊将軍というか、
そんな方向になってるのが残念です。
リィたちはとにかく強いから、圧倒的善対悪の戦いのようで面白みにかけちゃうのです。
それとなんというのかな、作者が自作品でのパロディをしているような感じ。
いっそ番外編とかなら納得なんだけどなぁ。
書ける方なだけに期待が大きいのかもと思いつつ。
厳しい読者としては、あと1,2作を見て見て、落ちちゃうかもしれないなぁ。
ああ。寂しいなぁ。
書いてくれる人なだけになぁ。
でもここ2年くらいこんな感じだしなぁ。
切ないです。
でもそこらの話よりよほど面白いんだけどね
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2007-01-24 Wed
しゃべれどもしゃべれどお映画公式しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)
佐藤 多佳子 著
この前見た王の男で予告を見たんです。
あ~~~これ読むの忘れたっ。
本の雑誌でランクされた時に早く文庫にならないかなぁと思ってまんまスルーしてたよっ。
ってことで、さっそくウキウキ読んでみた。
簡単なあらすじは二つ目の落語家がひょんなことで話し方指南をするはめになって・・・そんなお話。
わたしが今愛してやまないのは古典だ。
このお話の中では古典の中でもかなり有名な「まんじゅうこわい」が題材として核をなしている。
目黒のさんまと並んでかなり有名で、通して聞いたことはなくてもさわりくらいはみな知っているだろうというお話。
耳で聞かせる噺の世界を、文字にして、どこまで読み手にその空気を伝えるんだろう。
わくわく読み進めているうち、そんなことなんかふっとんでいる。
主人公で語り手になる二つ目の落語家がいい。
頑固の上に馬鹿をよっつつけたような頑固もので、熱くて不器用でまっすぐだ。
そして本当に落語を愛しているのがわかる。
彼の目線を通じて、落語を知らない人でも、その世界のしきたりや種類や勉強することなど、そして落語の抱える問題などが浮き彫りにされていく、
落語は座布団に座って演じるものだからなのか、人の中で人を見て、しっかり正面を切って語るものだからなのか、
彼が見る、彼に関わる人たちがとても身近に感じる。
主人公の一人称で語られる物語だから、彼を取り巻く人たちがどう思っているのか、感じているのかはわからない。
語られない。
語り家が語らないその部分の流れがとても優しくて、大きな事件もたいそうな出来事も起こらないのに、
じわりじわりと体に沁みてくる。
落語は下げの物語だ。
文字のごとく、くすぐって、くすぐって最後に落とす。
その落ちがピタリとはまった時、聞き手も語り手も良い時間を共有することが出来るのだ。
そんな落語のように、とりたてて事件なんかないのに、くすぐられて、くすぐられて、最後にじわりと落とされた。
気がつくと、涙がぽろぽろ零れている。
ここで感動するとこだよねっなんてお約束なんかまったくないのに、じわりじわりとくるのが悪くない。
わざとらしくなくてこびてなくて、でもあったかいのだ。
不器用でも弱虫でもがんばろうねとまっすぐに思える。
久しぶりに末広亭に行きたくなった。
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2007-01-23 Tue
ちゃんと紹介するほどではないけど、っていうのはイチイチ書いてなかったんだけど、今何読んでるの?
と聞かれたので、今月読んだものをピックアップ
そして競馬シリーズが前作最悪だったそうだけど、今回の新作はすごいぞって作品らしい。シットハレーのだものなぁ。
3年後文庫になったらわかちゃんに貸してもらおうvvv
これ以外は普通に漫画と、あとWeb小説でも楽しみあるし、同人とか入れるともっと読んでいるけど・・・。
↓こんな感じかなぁ。
怪しい楽園(水木しげる)
この方はある意味奇才天才不思議人間だと思う
風葬の教室(山田詠美)
再読。定期的に再読したくなる。これと「ぼくは勉強は出来ない」「放課後のキーノート」「ラビット病」が最高好き
ケルト神話物語(イアン・ツアィセック)
イマイチ。時々神話関係が詠みたくなる。
三千世界の鴉を殺し(津守時生)11巻まで
これでようやく半分かぁ。BLではないけどかぎりなくその香りがするのに、出てくる女性人が強くて明るくて大好き
二十螺旋シリーズ(吉原恵理子)
これはBLではくジュネ(違うんです)久々に吉原さん読んでみたけど、いいねぇ。アエリエナイ設定を楽しみました(大笑)
ナイトランナーシリーズ闇の守り手全3巻(リン・フルエリン)
翻訳だからなのか読みにくい。すご~~くあっさりさせた指輪風の文体?アイディアは面白いけど、もちょっと心理描写が欲しいかなぁ。微妙。これから続編の方に期待。
それから紹介に出したしゃばげシリーズvv文庫のみだけど、楽しかった。新作2年後の文庫で読むのが楽しみですっ。
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2007-01-12 Fri
しゃばけ 発売元:新潮社 著者/畠中 恵
「絶対によよちゃん好きだから」
周りみんなに言われてお勧めさせれいました。
ファンタジーノベル大賞受賞作は面白くないわけないので、注目していたのですが、すごく好きそうだったのでとっておいた1冊。
面白い。
狙いなのかなんなのか、実にこちらのモエポイントやつぼもついてきます。
お話はいたって簡単。
時代小説の形をかりて、舞台は江戸。
お金持ちの廻船問屋の若旦那さんが主人公。
そして彼の兄や2人の手代は実は妖しであり、両親以上に非常に過保護。
主人公はいつでも死にかけるくらいに虚弱なため、
17歳の主人公はこれ以上ないくらい甘やかされて育っています。
そんな一人ではお隣に遊びにすら行かせてもらえない箱入り息子の彼を中心に、さまざまな不思議事件を
妖しの力をかりながら彼がひもといていくんです。
筋の基本はたったこれだけなんだけど、まず読みやすい。
宮部みゆきの時代小説もとても読みやすく時代小説入門編にはぴったりだと思ったけど、
しゃばけは更に読みやすく、江戸の金銭価値ひとつにしても、
世間知らずの若旦那へ説明する形で実に自然に読者にもわかるようになっています。
更に主人公が若い。
なのでおっさんくさくならないんです(笑)
コバルトで連載でもおかしくない内容。
若い子たちに読んで欲しいなぁって思います。
1冊目のしゃばけは長編ですが、続編は短編の集まりなので更に読みやすいと思うので、
通勤の行き帰りに是非v
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2007-01-12 Fri
わたしの居場所はどこにあるの?~少女マンガが映す心の形~発行/学陽書房 著者/藤本由香里
2007年の1冊目に選んでみました(笑)
少女マンガの中で描かれる恋愛からジェンダー問題、生殖のことにまで10年かけて書かれたなかなかユニークな漫画論。
中でも恋愛のテーマのカテゴリに関してはうなずくことばかりです。
1979年に橋本治氏が「花咲乙女たちのキンピラゴボウ」の中で
少女マンガの核がドジっ子でもブスでも憧れの君に「そんな君でもぼくは好きさ」と言われて安心する。
男の子からの自己肯定にあると指摘されたことに著者はカルチャーショックを受けます。
ええ、わたしもショックを受けた口です。
わたしと同年代の少女たちは少女マンガでつちかった脳内恋愛刷り込みをいかに打ち破ることが出来るかが、
リアルでの恋愛に非常に影響のあることであったってことなのです。
この秘密、理屈を様々な事例を用いて多角的に検証していってくれるのはいっそ気持ちのいいことでした。
もう本当にうなずいてばっかり時間があったらぜひどうぞv
ちなみに一条ゆかりの偉大さが更にわかったわたしでした(笑)
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